藤井菜穂子が語る

聞き手
いつごろからフルーティストになろうと思われましたか?

藤井
実ははじめてフルートを手にしたのは中学に入って最初の夏休みだったんです。
それまで楽器の演奏は人並みにピアノを習っていた程度でした。
小学校時代は漫画(!)「エースをねらえ!」がバイブル!でしたから、中学に入るとすぐに、「岡ひろみ」になるべく(笑)テニス部に入ったんです。
でも、夏休みに開腹手術をしなくてはならなくなって泣く泣く退部、2学期になってから友達が入っていた吹奏楽部だったら激しい運動がないからいいだろうと思って入部しました。
特に楽器の希望もなかったんですが、先生がフルートがいちばん軽いから病後にはいいでしょうとフルートを選んでくれまして...(笑)
きっかけはそんなちょっとしたことだったんです。
でも、一度フルートを手にしてからはずっとフルートのことを中心に考えて生きてきましたね。
結局高校は普通高校ではなく音楽高校を選び、さらに音楽大学に入って、吹き続けているうちに気がついたらフルーティストになっていた、という感じなんです。


お姉さま(大山祥子氏)は美術畑でご活躍なんですね。


はい、姉は現代美術家なんです。
フランスで個展を開いたりもしています。
リサイタルのチラシ、パンフレット、CDのスリーブ、ディスクのレーベル、すべて姉のデザインです。
(このホームページにも大山祥子氏の了解を得てイラストを使わせていただいています)


吹いていらっしゃるフルートはかなりの年代物のように見えますが。


主に吹いている楽器は2本あります。
これはルイ・ロット(フランス)で、およそ100年前のものです。
楽器とはいつも運命的な出会いをするんですが、これも「一目惚れ」でした。
古い貴重なものなので大切に、大切に使っています。
もう1本はヘインズです。演奏する曲によって使い分けています。


コンサートレビューなどでは「気品」「優美」「清楚」「優雅な立ち居振る舞い」と書かれていることについて、ご自分ではどう思われますか?


もちろん嬉しいですが(笑)当人も周囲もびっくりしてます(笑)


今後の目標は?


とにかく、演奏し続けたい!と思っています。
いろいろな場面で、その場の雰囲気に馴染み、かつ自分らしい演奏ができればいいと思っています。
特にピアノとのデュオや、トリオなど室内楽を中心に活動していきたいですね。


室内楽というとなんだか小難しいイメージがあって敬遠されがちですが、藤井さんのリサイタルをきっかけに室内楽に魅せられた方も多いようですね。
今後のご活躍を期待します。ありがとうございました。