J.S.バッハ ソナタ イ長調 BWV1032

ドイツの代表的な作曲家であるヨハン・セバスティアン・バッハ(1685〜1750)は、200年にわたって50人以上の音楽家を輩出した大音楽家系でした。

今日よく知られているのはヨハン・セバスティアンですが、彼の息子であるフリーデマン・バッハやエマニュエル・バッハもたくさんの名曲を残しています。

この曲が作られた1720年ごろバッハはケーテンの宮廷楽長をしていましたが、宮廷楽長というのは当時の音楽家にとっては最も条件のよい地位であった上に、ケーテンの宮廷楽団には優秀な演奏家が揃っていたため、バッハの創作意欲は高まり、たくさんの器楽曲が生まれた時代でありました。

また、紙の節約家だったバッハは、1ページ19段の五線を書き、上の16段で「2つのクラヴィーアと弦合奏のためのハ短調協奏曲」の総譜を、それと平行する形で残りの3段にこのフルートソナタの総譜を書く、ということをしていました。

しかし、後になって誰かが五線譜の下端を切ってしまったために、この曲の第一楽章の後半が消失するという事態になってしまいました

そのため、このソナタが演奏される多くの場合は弟子たちによる補足版が使われています。

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