ゴーベール ノクターンとアレグロスケルツァンド

フィリップ・ゴーベール(1879〜1941)はフランスの優れたフルーティストでもありました。

フルートの巨匠 マルセル・モイーズ (1889〜1984)を始め、多くの名フルーティストを世に送り出しています。

彼の演奏は、彼の生徒たちから「多彩な音色を持ち、音の美しさ、むらのない柔らかな響きやなめらかな節回しに重点が置かれている一種の歌唱法(ベル・カント)のような美的感覚に富んだ、しかもナチュラルな演奏」として語られているようにすばらしいものでした。

また、作曲家としての彼はとても勤勉で、第一次大戦中の戦禍において勲章を受けるほどの活躍をしながらも暇さえあれば作曲をしていた、と残されています。

今ではその作品もあまり知られてはいませんが、彼の出生地ではその功績をたたえて、ロット川の岸辺の公園に彼の名前が付けられているそうです。

この曲はノクターンの部分とスケルツァンドの部分の二つからなるもので、作曲当時はパリ音楽院の試験の課題曲として作られたものでした。

フルートの特徴をよく生かした作品に仕上がっています。

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