ドビュッシー シリンクス

フランスの作曲家としてよく知られているクロード・ドビュッシー(1862〜1918)は、印象主義音楽の開拓者として名を残しています。

彼はフルートという楽器に精通しており、他にもいくつかの優れたフルート用の作品を書いています。

この曲は、ドビュッシーの友人であったガブリエル・ムーレイの劇「プシケ」のための付随音楽として作曲されました。

シリンクスとはギリシャ神話にでてくるニンフの名前です。

羊飼、山羊飼の神であるパンは、自身山羊に似た容姿を持ち、またその習性のためにニンフを見ると片っ端から追いかける、という日々を送っていました。

ある日彼がシリンクスを追っているとシリンクスは彼から逃れて川縁の土手まで来て一本の葦に姿を変えました。

土手には葦がたくさん生えていたため彼はシリンクスがわからなくなり、一束刈った葦でパン笛を作ると川辺の葦の上を渡る風の音に霊感を受け、うっとりするような調べをその笛で吹いたと語られています。

Copyright(c)2006 Nahoko Fujii All Rights Reserved.