ベーム グランド・ポロネーズ

フランス語で「ポーランド風」という意味のポロネーズは、17世紀頃宮廷を主に活動の場としていた音楽家たちが地方の宮廷にも進出し、各地の民族音楽や舞曲と結びついて生まれた舞曲です。

貴族の行進から始まったといわれ、ヨーロッパ各国に取り入れられフランス宮廷からポロネーズの名が広まりました。

この「グランド・ポロネーズ」は、それまでの単純なつくりの「トラヴェルソ」(穴をおさえる単純な形式の横笛)から、「ベーム式」といわれる現代のフルートに改良を遂げたテオバルト・ベーム(1794〜1881)により作曲されました。

彼は家業の鍛冶屋(金細工師)としての技術を駆使し楽器の研究をする傍ら、フルーティストとして、また自ら演奏するための作品を作るなど、精力的に活動しました。

その名の通りポロネーズの特徴的なリズムを取り入れ、当時まだ開発途中であったフルートの可能性を最大限に生かした華やかな作品になっています。

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