マルティヌー マドリエガルソナタ

チェコで生まれたボフスラフ・マルティヌー(1890〜1923)は、ヴァイオリニストとして活動した他、作曲家としても幼い頃からその才能を現していました。

英国のエリザベス朝のマドリガル大家であるモーリー(1557/8-1602)に影響を受け、「マドリガル」という作品を数多く作曲しています。

彼の創作活動期は作風や様式などを含め、チェコ時代・パリ時代・アメリカ時代・ヨーロッパ時代の大きく4つに分けられますが、この曲は彼の熟年期である50代からを過ごしたアメリカ時代(1941-1953)に作曲されました。

シンコペーションのリズムや音の跳躍などが特徴的な第1楽章の後、緩やかな民謡風のモチーフと軽快で無窮動的なアレグロが交互に構成される第2楽章へと続きます。
この時代には他のフルート作品や交響曲など、たくさんの重要な作品を残しています。

ナチス=ドイツの支配から逃れ移住した彼の帰国は、ミュンヘン協定や共産政権の誕生などによりついに叶いませんでしたが、反ナチス精神や故国の民謡などを盛り込んだ作品など、その生涯にあらゆる分野で400曲にのぼる作品を残しています。

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