音楽の中の土地と文化


普段私たちが親しんでいる音楽には、それぞれが作られた土地の様々な歴史や文化が刻み込まれています。

例えば、宮廷文化隆盛な頃、それが地方に広がりをみせ先々の土地の民族音楽や舞曲と結びついて生まれたポロネーズ、またハンガリーで有名な「ジプシー音楽」は、東ヨーロッパを中心に移動を続ける中で発展・変化していったものです。

国の領土をめぐっての制圧などにより流入された宗教や芸術・生活スタイルは、それまでの土着のものと融合して新しいものを生み出していきました。

しかしながら、激しい変化の中で忘れかけていた民謡や民俗舞踊などは、時代が進み国の復興とともに見直され、研究・記録されました。

他国の文化と融合した「芸術音楽」により新しい形式は発展し、またその中に民俗的なもの、それぞれの地域で口ずさんだなつかしいメロディやリズムを取り入れることによって作曲家独自の音楽が形成されていきます。

このように、いつの時代の音楽にも、国々の歴史や人々の想いが脈々と受け継がれていくのでしょう。

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