J.S.バッハ ソナタ ホ短調 BWV1035

1723年バッハ(1685〜1750)がその生涯で最も幸福で実り豊かな音楽生活となり、その地で骨を埋める考えでいたケーテンから、

「宮廷の領主レオポールド公の結婚した妃が音楽嫌いで、公自身音楽熱が冷めていった」ことと、
「息子の大学教育に大学都市が好都合だった」
「新しい職が経済的に好条件であった」

などの理由から自由と師ライプチヒに拠点を移しました。このソナタは、そのライプチヒ時代の1741年にフリードリヒ大王の近侍フレーデルスドルフのために書いた自筆譜に由来すると残されていますが、彼の同時代の他の作品の様式などから見てももう少し前の1720年頃(ケーテン時代)にすでに構想があったと考えられます。

バッハの晩年はドイツで音楽の潮流が急変したため、死後しばらく”忘れられた”存在となりましたが、19世紀に再評価され、現代の作曲家のほとんどが彼から様々な事を学び、エスプリや手法の上で影響を受けています。

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