ビゼー=ボルヌ カルメン幻想曲

この曲の原曲である歌劇「カルメン」は現在ではあまりにも有名ですが、その内容などからパリで初演された当時は評価も聴衆の反応も良くありませんでした。

この歌劇の作曲者であるフランスの作曲家ジョルジュ・ビゼー(1838〜1875)は幼少の頃から音楽的才能を発揮し異例な速さでパリ国立音楽院に入学してしまうほどでしたが、その才能を充分に生かす機会に恵まれず、過労や芸術上の煩悶などから体をこわし、「カルメン」の真の成功を知らずに37歳の若さで亡くなっています。

ビゼーとは対照的に長命であった編曲者ボルヌ(1840〜1920)はパリ音楽院教授で、ボルドーハ管弦楽団の主席フルート奏者として活躍しました。

この曲はフルートを熟知した彼が、カルメン登場の場面の音楽から「ハバネラ」「ジプシーの歌」「闘牛士の歌」等数々の有名な旋律を、超絶技巧的なフルートの変奏だけでなくピアノの奏でる強烈な色彩感によってその世界を表現する華やかな作品となっています。

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