カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714〜1788)は大バッハ(ヨハン・セバスティアン・バッハ)の次男として生まれ、その息子たちの中で音楽家としてもっとも成功した人でした。
名付け親のテレマン亡き後はハンブルグの5大教会の音楽を司る音楽監督を引き継ぎ、当時は大バッハといえばこのエマヌエルのことだったそうです。
幼少から父親に鍵盤楽器奏法と作曲を学び、クラヴィーアの名手として頭角を現しました。
「正しいクラヴィーア奏法に関する試論」は歴史に残る著書となっています。
また、フルートを繊細な感情表現の手段として好み、たくさんの作品を残しました。
この曲は、フルートを好んで奏した国王フリードリヒ二世の伴奏を担当していた時代で、彼が33歳のときの作品です。
それまでの特定の音型や手法などで情感を表わすバロック音楽から移り変わった、劇的色彩に富んだ急激な転調や意表をつくリズムによって感情の動きを自然に模倣する感情多様式音楽に属する曲であり、エマヌエル独自の世界を醸し出しています。
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