タファネル トマの歌劇「ミニョン」によるグランドファンタジー

1800年代のフルート業界は楽器の改良が盛んに行われたと同時に、優れた演奏家や演奏法が生まれた時代でもありました。

ポール・タファネル(1844〜1908)は新演奏法を確立した演奏家の代表格ですが、優れたフルート音楽も数々生み出しました。

この曲は、1796年に書かれたゲーテの作品「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」に基きフランスの作曲家トマが1886年に書いたオペラ「ミニョン」から生まれたファンタジーです。

舞台は18世紀後半のウィーン。
主人公の学生ヴィルヘルムが旅の途中にジプシーの群れで虐待されているミニョンを救ったことで愛が芽生えるが、同時に旅の一座の女優フィリーヌにも惹かれてしまう。
一方、老人ロタリオは押さないときにさらわれた娘を探すため、竪琴弾きとなりさすらう途中でヴィルヘルム達と出会う。
そしてヴィルヘルム達の関係のもつれから起きた事件がきっかけとなり、ロタリオはミニョンが実の娘と分かり、ヴィルヘルムは彼女を妻として迎える。

というもので、その美しい旋律によって初演当時は大変な人気のオペラでした。

ミニョンが故郷を思って歌う「君よ知るや南の国」や、恋敵フィリーヌが人々の賞賛に上気して歌うポロネーズ「私はティタニア」などたくさんの印象深い旋律が織り込まれている曲です。

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