クーラウ 序奏とロンド

ロベルト・シューマン(1810〜1856)は、手の故障のためにピアニストを断念した後作曲に専念していますが、文学愛好家の父の影響のせいか執筆活動も盛んに行っていました。

当時ショパンを絶賛したり、ブラームスを紹介する論文を発表したりと、音楽評論の意義を高めた一人でした。

この曲が作られた1849年は、それまで症状の激しかった鬱病が好転し創作力が蘇った実りの年で、他にもたくさんの名曲を残しています。

「3つのロマンス」は本来オーボエで演奏される作品ですが、当時演奏するのにほとんど不可能に近いことを求めていることに気づいたシューマンは、はじめからさまざまな楽器で交代して演奏することができるように設定しました。

ロマン派の特徴的なスタイルである素朴な無言歌の様な作りになっており、この時代のオーボエ作品としても最も重要なものです。

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