プロコフィエフ ソナタ ニ長調

プロコフィエフ(1891〜1953)は革命の気運高まるロシアにあって、自身の音楽語法の刺激となり、自分の音楽を受け入れてくれる安住の地を求めて亡命し、主としてアメリカとパリで暮らしました。

ロシアの作曲家でやはりフランスやアメリカに居を構えたストラヴィンスキーやバレエ界の興行師ディアギレフなどの影響を受け、バレエ音楽や映画音楽などたくさんの作品を残しています。

後に音楽的な理解と発展を故国ロシアに見出すべく帰国した彼を待っていたのは、ソヴィエト共産党が芸術関係のすべてを監視下におさめていたスターリン主義でした。

国の方針が創作活動を制約したのです。


このソナタは、ロシアに帰国した後の1942年から1944年にかけて作曲されました。

パリ時代にジョルジュ・バレールというフルーティストの演奏からインスピレーションを受けたため書かれた、とも言われています。

この曲の初演を聴いたヴァイオリニストの提案で「ヴァイオリンソナタ」としても改編され、ヴァイオリニストの重要なレパートリーにもなっています。

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