17世紀半ばまで器楽の中心を担ってきた管楽器はオペラの規模の拡大によって一度は衰退しましたが、次第に伴奏でなく独立した楽器として見直され、多くの器楽曲が作られました。
楽器を演奏する人口もプロだけでなくアマチュアまでと増え、また活版印刷から銅板印刷へと印刷技術も向上し安くて見やすい楽譜が出回ったこともあり、音楽がより身近なものになっていきました。
しかしながら未だ18世紀は宮廷や教会が音楽の主な舞台でした。
室内で演奏される小編成の楽団にはリコーダーや、今よりもっと単純で音も小さく表現力の少ないフルートが使われていました。
その後、音楽は公開演奏会などの普及で庶民化され、ホールやオーケストラの規模の拡大から、娯楽として、また社会的地位として求められるものへと今日まで変貌を遂げてきたのです。
いつの時代も変わらないのは、名手が存在して名曲が生まれる、ということでしょうか。
すばらしい楽器があり、それを巡って名手が生まれ、その名手に敬意を表して作曲家が曲を書く。
そのおかげで今日私たちは素敵な音楽と巡り会うことができるのです。