「音楽の友」2005年7月号演奏会評より(抜粋)


ピアノの横山歩とチェロの松本ゆり子を迎えた、事実上の室内楽の夕べ。

まだ若い藤井がすでにアンサンブルに開眼しているようすが伝わり、嬉しくなった。

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このうちアゴーギグがみごとで不協和音も効果的に響いたマルティヌーが、俄然面白い。

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ハイドンはあまりにもピアノ主体の作品であることを藤井も松本も百も承知の上で、お互いをいとおしむような情感のやりとりの感じられる、よいアンサンブルであった。

ダマーズはソナタと呼ぶよりは全楽章アタッカに近い、起伏豊かな幻想曲もしくは組曲。

そう聴こえただけでも意図は成功だ。

シチリアーノの情感、ジーグの盛り上がりが立派。