フルーティストの巨匠である父マルセル・モイーズと日仏混血の母を両親に持つルイ・モイーズ(1912〜)は、フルーティストとして活躍する傍らピアニストとしてのアンサンブル活動や、作曲家としても精力的に作品を生み出すなど豊かな感性の持ち主です。
この曲はルイ氏のかつての生徒である藤森さおりさんに献呈されました。
藤森さんは仏門に入られましたが、瞑想のための曲をルイ氏に依頼されたとのことです。
クリシナとはインドのヒンドゥー教の神、ヴィシュヌの化身です。
ヒンドゥー教にはブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァといった三大神がおり、中でもヴィシュヌは危機における救済の役割を担い、10の化身を以って人々を救済します。
その中のひとつがクリシナで、牧人として笛を吹いている姿が特徴的に描かれています。
この曲の中間部に藤森さんのイニシャルが音符に組み込まれています。
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