フィリップ・ゴーベール(1879〜1941)はフランスを代表するフルーティストです。師匠のタファネルと同じように指揮・作曲も手掛け、後には教則本を共著するなどフルーティストの育成やそのレパートリーに大変貢献しました。
彼は1897年18歳でオペラ座に入り、その後も音楽監督として在任しました。
この曲はそのオペラ座のチェリスト、ガストン・クラークスに捧げられています。
「ロマンス」という言葉は、元来ヨーロッパ中世のフィクション(物語)のことで、宮廷文学の代表的な分野の一つでした。
学術的なラテン語ではなく、俗語である「ロマンス語」で書かれた、という意味があったようです。
18世紀半ば以来、主にリート(ドイツの歌曲)や詩の分野において使われていましたが、私的あるいはカンタービレな(歌うような)小規模の器楽作品の表題としても多く起用されています。
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